人生の目的をいったん決める

10/31の投稿の続きです。

「3つの無意識な選択」を自覚し、行動を自らの意志によって変えていく。そのためには、ブレない自分となるための判断基準が必要です。ゴールと役割を掛けあわせてできた「人生の目的」を統合し、自らの指針となる「ミッション・ステートメント(使命の宣言文)」を作成していきます。

 

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人生の目的を探るプロセス

これまでの投稿で、

興味×価値観=ゴール
ゴール×役割=人生の目的

であるとして、自覚した4つの自分の特徴(興味・能力・価値観・役割)から人生の目的を探るプロセスを説明してきました。(能力はビジョンや行動計画の設定で使用します)

▼興味と価値観からゴールを見つける(10/29)▼
▼ゴール×役割=人生の目的(10/30)▼

私自身は、このプロセスを通じて、

・家族、周囲の人、そして自分の豊かで上質な生活を追求する
・ワークライフバランスを追求し、バランスのとれた人生を送る
・いつまでも健康で若々しく、知的でスマートな人間でいる
・潜在能力と「自分らしさ」の開発を通じて、人々の成長と幸せを支援する
・常に貪欲に、何事からも学ぶ姿勢を持ち続け、生涯、人間性を磨き続ける

といった「人生の目的」を導き出しました。

これらは、それぞれ別の側面について述べている一方で、共通した面を持っている場合が多いです。なぜならば、これらはすべて自分という一人の人間の特徴を追求し続けてでてきたものだからです。対象は広きに渡ったとしても、出処は同じ人間であるので、その目指すところは同じ方向へと結びついていきます。

そこで、これらを整理・統合し、一つの文章にまとめ上げることで、

私は、生涯を通じて何を成し遂げようとするのか

という人生の大きなテーマを1つの文章として定めることができます。これが、ミッション・ステートメント、すなわち使命の宣言文なのです。

人生の目的をつむぎあげ、ミッション・ステートメントを作成する

ミッション・ステートメントを描くプロセスは「自分への問いかけ」です。これまでの自己分析を通じて重ねてきた自分自身との対話を集大成し、ひとつの宣言文としてまとめていきます。

・生涯を通じて、何をしたいのか、するべきなのか(必ずしも仕事である必要はありません)
・世の中や周囲の人たちに対して、自分が何をすべきか
・「自分らしい生き方」とは何か

自分のこれまでの歴史と「今ここにいる」自分の感情から、自分自身に問いかけていきましょう。

「やりたいことが見つからない」「何をしたいのかわからない」と方向を見失ったとしても、過去・現在の自己分析を重ね、興味・能力・価値観・役割をステータスシートにまとめられたならば、自分の中に眠る答えに確実に近づいています。それこそが、あなたがブレない自分」であり続けるための大きな柱となるのです。

書き出した「人生の目的」を何度も繰り返し読み返していくと、次第にそれぞれの文章が組み合わさっていきます。表現を変えてみたり、組み合わせの順番を入替えたりを繰り返し行うことで、自分の心に響き、浸透する文面に洗練されていくのです。

私自身は、人生の目的を組み合わせて、次のようにミッション・ステートメントを定めました。

自己実現のプロとして、潜在能力と自分らしさの開発を通じて、人々の成長と幸せを支援し、社会の活性化に貢献する。並びに、家族、周囲の人々と良好な関係を築き、豊かで上質な生活を追求する

この文章は声にして読んだり、手帳に書いたりして、毎日必ず触れるようにしています。何度も繰り返し、自分自身に言い聞かせていくことで、少しずつですが、潜在意識にまで到達させるよう試みています。

繰り返し唱えることで、人生はこの大きな目的に向かって動き出していく。そう思いながら、1日1日を過ごしています。

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ミッション・ステートメントは書き直し続ける

自己分析からミッション・ステートメントを導き出すプロセスは、自分の人生にストーリーを持たせ、「意味づけ」する行為です。自分自身への問いかけを繰り返すことで「私ははどんな人間であるか」という理解を自分自身で深めていきます。

自分自身の理解度が深ければ深いほど、自分の心の奥底、深層心理に近づくことができ、「本当に求めているもの」に触れることができる。これが私が考える「パーソナリティの開発」です。

ミッション・ステートメントは一度書いて終わりではありません。人生の目的など、そう簡単に見つかるものではないと私は考えています。まだ「これで完成」と思えるものを、今の時点で「とりあえず、いったん作る」ことが重要なのです。

人生の目的をいったん定め、計画と行動を積み重ねていく。そうする中で、ミッション・ステートメントには絶えず加筆と修正が加えられていきます。行動を繰り返す中で、自分の深層にさらに近づいていくのです。

私がはじめてミッション・ステートメントの考え方に触れたのは、4年前、コヴィー博士の『7つの習慣』を読んだ時でした。それ以降、何度も何度も繰り返し、今の内容に辿りついています。きっとまた、来年変えるかもしれません。しかし、それでいい。また一歩、本当の自分に近づくことができたと思えるようになります。

人生とは自分磨きです。

・徹底的に自分を見つめ、理解すること
・人生の目的を探ること
・誠実、謙虚に努力を積み重ね、周囲のすべてに感謝すること

このプロセスをしっかり回していくなかに、自分が本当に充足できる世界が待っていると私は考えています。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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