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マネジメント

2026.4.30

GW直前に管理職がやるべき離職防止策|新入社員の5月病を防ぐ3つのポイント


はじめに

ゴールデンウィークを迎えるこの時期、新入社員の方々はこの1ヶ月間、慣れない環境の中で懸命に走り続けてきました。しかし、管理職の皆さんにはぜひ知っておいていただきたいことがあります。連休前のこの数日間こそが、新入社員が「5月病」に陥るか、「この会社で頑張ろう」と気持ちを新たにできるかの、まさに運命の分岐点なのです。

4月はあんなにキラキラと輝いていた新入社員が、5月に入ったとたんに元気を失ってしまう。最悪の場合、退職代行から突然連絡が入る。そのような光景は、決して珍しいことではありません。せっかく縁あって入社してくれた方々が、そのような形で離れていってしまうのは、会社にとっても、その方本人にとっても、非常に残念なことです。

この記事では、「GW直前に管理職が絶対にやっておくべき離職防止策」として、連休明けからでも間に合う重要なポイントを3つに絞ってお伝えします。安心してゴールデンウィークを迎えられるよう、ぜひ最後までお読みください。

5月病の原因は「休み過ぎ」ではない

5月病は「4月の疲労」と「5月への不安」が引き起こす

「5月病」という言葉を耳にすると、「長い休暇でリズムが崩れたせいだ」「休み過ぎたからだ」と思われがちです。しかし、それは必ずしも正確ではありません。5月病の原因は、4月に積み重なった無理と、5月に対する漠然とした不安が、連休という静かな時間の中で一気に爆発することにあります。

新入社員の方々は今まさに、100メートル走を全力で走り切ったばかりの状態です。息は切れ、足はガクガクで、体力も精神力も限界に近づいています。そのような状態のときに「さあ、次は200メートルを走れ」と言われたら、誰でも絶望してしまうでしょう。

管理職に求められるのは「給水ポイント」を設けること

だからこそ、管理職の皆さんに今求められているのは、「根性が足りない」と突き放すことではありません。「4月、よく走り切ったね」と声をかけ、給水ポイントを設けることです。つまり、承認を与え、連休明けへの見通しを示し、安心感を届けることが、今この瞬間に新入社員の方々が最も必要としているケアなのです。

では、具体的に何をすればよいのでしょうか。以下に、管理職の皆さんが今日・明日中に実践できる、離職防止のための3つのポイントをご紹介します。

離職防止策①|4月の頑張りを120%承認する

Z世代が抱える「役に立てているか」という不安

現代の若手社員、いわゆるZ世代の方々は、「自分は本当に役に立っているのだろうか」という不安を常に心の中に抱えています。これは決して甘えではなく、この世代に特有の心理的傾向です。仕事の成果や自分の存在価値に対して、外からの承認を強く必要としているのです。

この不安が解消されないまま連休を迎えてしまうと、どうなるでしょうか。自宅で一人過ごす時間の中で、「この会社に自分の居場所はあるのだろうか」「もしかして迷惑をかけているだけではないか」と思い悩んでしまいます。こうした内向きの思考が積み重なることで、連休明けに会社へ足が向かなくなってしまうのです。

承認の言葉は小さなことで構わない

では、どのように承認を伝えればよいのでしょうか。難しいことは何もありません。特別な言葉も必要ありません。

たとえば、「〇〇さん、毎朝の挨拶がとても元気で、この1ヶ月で職場が本当に明るくなったよ」でも十分です。「書類の作成がとても丁寧になっていたね。おかげでとても助かった」という一言でも、十分な承認になります。

大切なのは、「あなたがいてくれたおかげで、職場が良くなった」というメッセージを具体的に伝えることです。漠然とした「よく頑張ったね」よりも、具体的なエピソードを添えた承認の言葉の方が、受け取る側の心に深く届きます。この「承認の言葉」を、連休前に渡す”お守り”として届けてあげてください。

離職防止策②|連休明けのハードルを徹底的に下げる

5月病の最大の敵は「休み明けへのプレッシャー」

5月病を引き起こす最大の要因の一つが、休み明けの仕事に対する過剰なプレッシャーです。連休前に重たい課題や宿題を持ち帰ってしまうと、せっかくの休日も頭の中からその課題が離れなくなります。日が経つにつれて不安は増幅し、「連休が終わったら、あの仕事をしなければならない」というプレッシャーが「会社に行くのが怖い」という感情へと変わっていくのです。

「5月7日の最初の仕事」を意図的に軽くする

そこで管理職の皆さんに実践していただきたいのが、連休明け最初の仕事のハードルを、地面スレスレになるまで下げることです。

たとえば、「連休明けの最初の仕事は、休み中に経験した出来事をランチで話してもらうことだから、肩の力を抜いて来てね」という一言。あるいは「5月7日は、まず簡単なチェック作業から始めよう。難しいことは後回しにして大丈夫」という声かけ。このような「予告」を連休前に行うだけで、新入社員の方々が抱える休み明けへの不安を、大きく和らげることができます。

管理職の皆さんが連休前に行うべき重要な仕事の一つは、まさにこの「不安を安心感に変えるコミュニケーション」なのです。連休を「充電期間」として最大限に活かしてもらうためにも、重たいプレッシャーを持ち越させないことが大切です。

離職防止策③|「SOSを出していい」と伝え、失敗への耐性を先に授ける

真面目な新入社員ほど自分を追い込みやすい

「失敗したらどうしよう」「連休明けにミスをしたら、どう思われるだろう」

こうした不安を、特に真面目で責任感の強い新入社員ほど深く抱えています。完璧にやらなければという意識が強いほど、失敗への恐怖が肥大化し、それが「会社に行けない」という状態を引き起こす原因になってしまいます。

この「完璧主義の呪縛」を解いてあげることが、管理職の重要な役割の一つです。

上司自らが「失敗談」を語る効果

では、どのようにして失敗への恐怖を和らげればよいのでしょうか。最も効果的な方法の一つは、上司自らが自分の失敗談を語ることです。「実は私も昔、連休明けに大きなミスをしてしまったことがあってね」という一言は、「失敗しても許される環境なのだ」という安心感を、言葉以上に強く伝えることができます。

さらに、「連休明けはミスが起きやすいのは当然のことだから、何かあっても私がカバーするよ。思い切ってやってみてね」という言葉を添えることで、新入社員の方々は「失敗しても見捨てられない」という深い安心感を得ることができます。

この「心理的安全性」こそが、連休明けに会社へ向かうための最大のエネルギー源になります。管理職の皆さんが、あらかじめ失敗を許容する姿勢を示しておくことで、新入社員は安心して連休を過ごし、前向きな気持ちで職場に戻ってくることができるのです。

まとめ|管理職の「温かい干渉」が離職を防ぐ

「見守るだけ」では不十分な理由

新入社員のケアにおいて、「様子を見ながらそっと見守る」というアプローチは、一見すると優しそうに見えて、実は不十分なのです。なぜなら、不安を抱えたまま連休を迎える新入社員には、「気にかけてもらっている」という実感が何よりも必要だからです。

管理職の皆さんが意識的に声をかけ、承認を伝え、安心感を届ける。この「温かい干渉」こそが、新入社員の離職を防ぐ最大の鍵となります。

今日・明日、ぜひ実践してください

改めて、3つのポイントを整理します。

① 4月の頑張りを120%承認する

具体的なエピソードを添えて「あなたがいてくれて助かった」というメッセージを届ける。

② 連休明けのハードルを下げる

5月7日の最初の仕事を軽いものに設定し、「休み明けは怖くない」という安心感を事前に届ける。

③ SOSを出していいと伝える

上司自らの失敗談を語り、「ミスしても大丈夫、カバーする」という言葉で心理的安全性を高める。

連休に入る直前、ぜひ新入社員の方お一人おひとりに一言声をかけてあげてください。

「この1ヶ月、本当にお疲れ様でした。ゆっくり休んで、連休明けにまた元気な顔を見せてくださいね」

たったその一言が、休み明けに気持ちを切り替えて会社へ向かうエネルギーになります。

離職防止は、特別な制度や仕組みがなくても、管理職一人ひとりの「言葉」と「関わり方」で大きく変わります。このゴールデンウィークが、新入社員の方々にとって充電と前向きな気持ちの再確認の時間になるよう、ぜひ今日からできることを実践してみてください。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

小松 茂樹(こまつ しげき)

中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役社長。「デキる人を増やして社会をもっと快適にする」を理念に、人事・組織コンサルタントや研修講師として活動。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。登壇実績 862件、1,015日間(のべ受講者数17,334名)*2025年12月末現在

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