サービス紹介
2026.7.4

目次
人事担当者や管理職の方から、こんな相談を受けることがあります。
「係長に昇格させたけれど、いつまでもプレイヤーの仕事しかしていない」
「課長と係長の役割の違いを、本人がうまく説明できない」
「上からの方針をそのまま読み上げるだけで、現場に伝わっていない」
「部下との関係づくりが場当たり的で、チームがまとまらない」
これは特定の会社だけの問題ではありません。多くの企業で、係長・主任クラスが「現場の実務者」から「組織と現場をつなぐ管理者」への転換をうまく果たせていない、という構造的な課題です。
係長は、管理職(課長)ほど大きな決裁権を持たず、かといって一般職のように業務だけをこなせばよい立場でもありません。この「中間の宙ぶらりんな立場」を放置すると、係長は「ただの伝言係」になってしまい、方針は現場に届かず、現場の声も上には届かなくなります。
弊社の「係長の役割認識研修」は、この転換を1日で促すために設計された研修です。
本研修は、次のような課題をお持ちの企業・組織に特にご好評いただいています。
| よくある課題 | 研修での対応 |
|---|---|
| 課長と係長の役割の違いを、本人が言語化できていない | 「役割と位置づけ」「視点と時間軸」「意思決定と権限」など5つの観点で両者を比較整理する |
| 方針や指示をそのまま右から左に伝えているだけ | 「理解する→解釈する→言葉にして届ける」という翻訳の3ステップを演習で体得する |
| 業務遂行に追われ、チームマネジメントに手が回らない | 「業務遂行」「チームマネジメント」「方針翻訳・体現」の3機能に役割を整理し、優先度を見直す |
| 上司・部下・他部門との関係が場当たり的 | 関係性マップ作成ワークで、現状の関係の強さと課題を可視化し、改善策を考える |
| 自分の強みや価値観を言語化したことがない | ジョハリの窓・オーセンティック・リーダーシップの考え方を用い、自己理解と他者フィードバックを重ねる |
| 会社の理念や経営方針と、日々の仕事のつながりが見えていない | 実際の経営方針を題材にしたケーススタディで「続ける・変える・始める」を検討する |
この研修の最大の特徴は、「橋渡し役としての係長」という考え方を軸に据えていることです。
研修の中盤、受講者はこんな問いに向き合います。
「あなたは、上からの言葉をそのまま下に流していないか。それとも、意味を届けているか。」
上の方針や決定をそのまま読み上げて「以上です、質問はありますか」で終わる係長は、講師曰く「パイプではなく、ただの“管”に過ぎない」存在です。言葉は届いても、意味は届いていない。メンバーは「結局、自分は何をすればいいのか」が分からないまま現場に戻ってしまいます。
研修では、この状態から抜け出すために「翻訳」を3つのステップに分解します。
そしてもう一つ欠かせないのが「当事者意識」です。100%納得していなくても、組織の一員として決定を引き受け、自分の言葉で語れるかどうか。係長が方針を「他人事」として伝えれば、メンバーもそれを他人事として受け取ります。逆に係長が「自分ごと」として語れば、その熱量はチームに伝わります。

この「翻訳」と「当事者意識」の2軸を最初に言語化させることで、「自分は伝えているつもりで、実は伝えていなかったのではないか」という気づきが生まれ、1日の学びに一本の軸が通ります。

まず取り上げるのは、「管理職(課長)と係長は何が違うのか」という根本の問いです。
役割と位置づけ、視点と時間軸、意思決定と権限、方針の受け取り方と伝え方、人材育成という5つの観点から両者を比較し、「係長は自分も動きながらチームをまとめる。課長は自分は動かず、人と組織を動かす」という違いを整理します。

その上で、係長の役割を「業務遂行機能」「チームマネジメント機能」「方針翻訳・体現機能」の3つに整理します。業務遂行だけに集中すればメンバーが育たず係長が一人で抱え込み、マネジメントだけを意識すれば現場の実態から離れた指示になり、翻訳がなければチームは「言われたからやる」だけの集団になります。この3機能はどれか一つでは成立せず、揃って初めて係長の役割が機能することを学びます。
演習「自分は係長として何者か」では、自分がいることでチームに何が変わっているか、3つの機能のうちどれを最も発揮できているかを言語化し、グループ内で発表し合います。
係長が「なぜこの会社で働いているのか」を、組織論の基本から捉え直すパートです。
組織はなぜ個人ではなくチームで成果を出すのか、企業理念(ミッション・ビジョン・バリュー)とパーパスはどう違うのか、といった基礎を学んだうえで、実際の経営方針を題材にしたケーススタディに取り組みます。「続ける」「変える」「始める」の3つの視点で、経営方針を自部門・自チームにどう落とし込むかをグループで議論します。理念を頭で理解するだけでなく、自分の言葉で語れるようになることを目指す演習です。

係長は、自部門(タテ)だけでなく他部署や関係者(ヨコ)ともつながる存在です。このテーマでは、「橋渡し役」としての係長の機能を深掘りし、他部門・関係者との連携のポイントを学びます。
協力関係を築くための基本姿勢を整理したうえで、関係性マップ作成ワークに取り組みます。自分を中心に上司・部下・他部門との現状の関係性と課題を可視化し、改善策をグループで議論します。

「自分を知らないリーダーは、部下に一貫性のない指示を出す」
このテーマでは、自己理解を土台にした一貫性のあるリーダーシップの築き方を学びます。
オーセンティック・リーダーシップ(自分自身の価値観をもとにリーダーシップを発揮するという考え方)を紹介したうえで、これまでの仕事経験から自分の強みと課題を棚卸しします。
さらにジョハリの窓の考え方を用い、自己開示とフィードバックによって「秘密の窓」「盲点の窓」を開き、開放の窓を広げていくプロセスを体験します。グループ内での他者視点フィードバックでは、自分では気づいていなかった強みを他者から伝えてもらい、自己認識と他者認識のギャップを確認します。

最後に、強みの棚卸しと他者フィードバックを見比べ、「係長として、これから最も伸ばしたいテーマ」を3つ選び、なぜそれを選んだのか、成長したらどうなりたいかを言葉にします。
研修の締めくくりは、行動計画の作成です。今日から実践すること、1ヶ月以内に着手すること、3ヶ月後に実現したい状態を、「〜できている」という文体で具体的に書き出します。「学んで終わり」にせず、現場に持ち帰ってすぐに動ける状態をつくることを重視しています。

受講後に見られる代表的な変化は以下のとおりです。
| 設問 | 平均評価(5点満点) |
|---|---|
| 研修全体の満足度 | 4.77 |
| 内容の理解度 | 4.69 |
| 今後の業務への役立ち度 | 4.58 |
| 講師の指導のわかりやすさ | 4.88 |
| 教材の満足度 | 4.42 |
「漠然と取り組んでいた係長という役割に対して、整理ができてこれからやるべきことが見えてきた」「自分自身がプレイヤーになることが多く、本来の係長の役割や立ち位置を再認識することができた」などの声が複数寄せられました。役職に就いてから日々の業務に追われる中で、「自分は何を担っているのか」を立ち止まって考える機会自体がなかった、という状態を映しています。
研修の核である「翻訳」という考え方については、「翻訳について参考になった」「翻訳して自分の言葉で、部下たちに理解させたい」「翻訳の難しさと必要性を再認識した」など、単独の設問だけでなく複数の自由記述欄にまたがって言及されていました。「上司の指示は分かりやすく噛み砕いてから部下へ伝える」という行動目標を、研修後の具体的なアクションとして挙げた受講者もいます。
グループワークでの他者視点フィードバックについては、「グループ内でお互いの強みを発表した事」「他者から見た、自分の強み」「相手から見える自分の強みを知ることができた」といった声が目立ちました。自分では気づいていない強みを、同じ係長という立場の同僚から言葉にして伝えてもらう体験が、印象に強く残った様子がうかがえます。
本研修の講師を務めるのは、弊社代表の小松茂樹です。中小企業診断士・国家資格キャリアコンサルタントとして、リーダー人材育成・自律型人材育成・セルフマネジメント・キャリアデザインを得意領域としています。
人材派遣会社での営業・営業企画、健康食品・化粧品会社での経営企画・マーケティング・人事など、多様な現場経験を背景に、理論とリアリティを組み合わせた研修が特徴です。

「聞き取りやすく理路整然としていたので」
「具体的な例をもとにお話しされていたため」
「聞き手を飽きさせないトーク術が親近感もあり面白かったです」
「話し方やユーモア含めて飽きない講義でした」
理論を噛み砕いて伝えるだけでなく、聞き手を飽きさせない話し方そのものが評価されている点が特徴的です。
| 日数 | 1日間 |
| 標準開催時間 | 9:00〜17:00(1時間休憩を含む) |
| 受講人数 | 推奨16名以下、最大24名 |
| 推奨対象者 | 係長・主任などの監督職層 監督職への昇格予定者 |
| 実施形式 | 集合研修(推奨) または ライブオンライン配信 |
| 標準見積価格 | 講師費:300,000円(税抜) 教材費:500円×受講者数 講師の旅費交通費 *見積額は時期・人数・開催条件によって変更になる場合があります。 *カスタマイズや複数回実施のご相談も承ります。 |
研修の終盤、受講者にこんなメッセージを伝えています。
「係長になりたての今は、まだ“伝言係”としての振る舞いが習慣になりきっていません。翻訳者としての動き方を身につけるなら、今がいちばんのタイミングです。」
役割認識は、一度きりの気づきで終わるものではありません。しかし「自分は何を担っているのか」を言葉にすること、「何を変えるか」を決めることは、今日から始められます。放置すれば、プレイヤー時代の振る舞いはやがて習慣として定着してしまいます。昇格直後・昇格前後のこのタイミングに介入することが、最も効果的な育成投資です。
ご関心をお持ちの方は、ぜひ一度お問い合わせください。研修内容の詳細や、貴社のニーズに合わせたカスタマイズについてご説明いたします。
