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2022.9.26
人生100年時代で労働時間が増加し、働き方改革で副業の解禁や雇用形態の多様化が進む今、キャリアプランが注目されています。今回は特集記事として、キャリアプランの概要や、企業側・社員側双方の観点からみたメリットについて紹介します。
目次
キャリアプランとは、自分自身が仕事をする上で、今後どのような経歴を積み重ねるかを設計する人生計画のことです。キャリアプランを明確にしておくことで、今後の自分に必要な知識やスキルを把握できます。
その結果、どのように行動すればよいかを具体的にイメージできるため、将来の理想像が描きやすくなるでしょう。ここで言う「キャリア」は職歴や経歴だけではなく、人生の経歴を表す広義的な意味で使用されています。
背景として、以下のことが挙げられます。
これらの背景から、長期的なスパンで1人ひとりに合ったキャリア形成を行うことが重要視されるようになりました。
参考:厚生労働省「人生100年時代」に向けて」
キャリアプランを形成することは、人々が今後の人生を歩んでいくにあたってとても重要なことです。また、社員1人ひとりだけでなく雇用する企業にもメリットが存在します。
双方の立場から、得られるメリットについてそれぞれ3つずつ解説します。
キャリアプランを形成することで、社員は自身の現状を把握し、今後の人生の指針を明確にできます。方向性を定めることによってモチベーションの向上が期待でき、周囲からの助けも受けやすくなるでしょう。
社員側の3つのメリットを解説します。
将来を見据えた明確なキャリアプランの形成は、羅針盤の役割を果たしてくれるでしょう。キャリアプランは今後の人生における計画書です。仕事面はもちろんのこと、自身の知識やスキルの向上に関しても計画を立てるため、何をすればよいのか迷った際の指針として役立ちます。
たとえば、キャリアアップを考える際に「専門的な資格を取得するためにはどんな知識を身に着ければよいのかを把握する」といったことが挙げられます。今の自分に足りないものが何かを教えてくれることは、キャリアプランの形成によって得られるメリットの1つです。
明確なキャリアプランがあれば、日々の仕事に目標を定められるため、仕事に対して精力的に取り組めるでしょう。キャリアプランは自分自身で作成するため、自分がどれだけゴールまで近づいたかを実感しやすいことが特徴です。
今悩んでいること、困っていることでも、ゴールに近づくために必要なものだと認識できれば、モチベーションの維持につながります。着実に目標に近づくことで周囲の目にも留まりやすくなり、会社や上司からも、キャリアアップのチャンスをもらえる可能性があります。
キャリアプランを会社や上司・同僚に共有しておくことで、周囲からの応援や支援が受けやすくなるでしょう。明確なキャリアプランがあれば、自身が何を目標に仕事に取り組んでいるか、周囲から見て分かりやすいためです。
たとえば、新しい仕事やプロジェクトが立ち上がる際、それが自身の描くキャリアプランに近い物であれば、会社や上司から声をかけられることも十分考えられます。その結果として周囲から高い評価が得られれば、自身の希望や意見が通りやすくなり、よいスパイラルを生み出せます。
社員がキャリアプランを形成することは企業側にも多くのメリットがあります。社員からキャリアプランを共有してもらうことで、具体的な方向性を持った人材育成や適切なポジションへの配置がしやすくなります。
企業側にとっての3つのメリットを解説します。
社員がキャリアプランを形成することは、社員が目指す先を明確にすることです。社員の目指す方向と仕事内容が一致していれば、精力的に取り込んでもらえるため、業務の生産性が高まります。
がむしゃらに取り組む姿勢は重要な一方で、何も考えずに闇雲に仕事をさせていては、無駄な労力を使うことになりかねません。生産性が高い人材を育成するためには、社員にキャリアプランを立てさせ、企業側に共有してもらうことが重要です。
社員のキャリアプラン形成は、適切な人事配置を可能にします。キャリアプランを企業側と共有できていれば、その社員がどのような知識やスキルを有し、ゴールをどこに設定しているかが把握できるためです。
キャリアプランに沿って、社員の部署異動やジョブローテーションを行えば、目標に向かった社員教育が期待でき、企業・社員双方のメリットになるでしょう。
キャリアプランを作って終わりではなく、定期的な面談や聞き取り調査などを行い、目標への進捗や計画のずれをすり合わせることが重要です。
綿密に作り込まれたキャリアプランの作成は、目的意識を持った優秀な人材の育成にも繋がります。昨今、さまざまな経験を闇雲に積むのではなく、自身のゴールを明確に立て、そこに向かって成長したいと考える方が多くいます。
5年後、10年後に何をしたい、どうなっていたいという目標を設定することは、目標に向かって知識やスキルを付けるモチベーションにつながるのです。適切な知識やスキルを身に付け、経験を積んでいくことで、企業にとって重要な戦力となるでしょう。
いざキャリアプランを形成するといっても、どのように作ればよいのか分からない方もいるでしょう。そこで、具体例を交えながら、キャリアプランの形成に必要な手順を5つ紹介します。
キャリアプランの指標となる人生の軸を定めましょう。「自分軸」とも呼ばれ、人生における目標を指します。自己分析によって価値観を言語化し、どういった人材になりたいかという目標を定めましょう。
たとえば、「社員として、関わった人全てを幸せにしたい」という目標は、十分に自分軸となり得ます。こうなりたいという主観的な思いが、キャリアプランにおける人生の軸です。明確であればあるほど、次のステップに進みやすくなるでしょう。
自分の軸の作り方について詳しく知りたい方は、当社からご提供している下記のPDFファイルをぜひダウンロードください。
キャリアプランにおけるゴールを設定しましょう。前述の、「社員として、関わった人全てを幸せにしたい」という目標に対して、ゴールを具体的に定めます。
たとえば、中堅社員が10年後の目標を設定するとします。その場合、「人事部に配属され、人事部長として活躍していたい」ことがゴールのひとつとして挙げられるでしょう。価値観や興味、強みなどを言語化した上で、自分が納得できる理想像を設定することが重要です。
自分の知識やスキル、経験などが、今の時点でどの地点にあるか、現在地を把握しましょう。
以上の3要素から、目標に対する自身の現在地を把握・理解しておくことが重要です。
把握した自身の現在地から設定したゴールへ向けての達成手順を設計しましょう。「SMART」という客観的にチェックできるフレームワークが存在します。
以上の5つの要素を基に、達成手順を設計します。
キャリアプランは、達成手順までを設計した時点で終わりではありません。目標と進捗にはずれが生じるもので、定期的に振り返ることが重要です。できれば四半期、最低でも半期に一度は目標への進捗を確認し、ずれや遅れに対しての修正を行いましょう。
たとえば、ゴールに向けて取得必須の資格が未だ取得できていない場合、業務の生産性を上げて学習時間を確保するなどの修正が必要です。ほかにも、自身の中で目標に変化があった際は、キャリアプランを見直す必要があります。
キャリアプランを形成し、明確な目標を設定することで、社員と企業の双方にメリットが存在します。キャリアプランを作成した後も定期的に改善し、常にゴールが見える状態を意識しましょう。
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