コミュニケーション
2026.6.7

目次
人事担当者や管理職から、こんな悩みを耳にすることがあります。
「一生懸命やっているのに、上司に『そういうことじゃない』と言われてしまう」
「指示を出しても、意図と全然違う方向で進めてくる」
「報告が長くて何が言いたいのかわからない。何度言っても変わらない」
「質問や確認をしてこないから、仕上がってから方向性のズレが発覚する」
これは特定の若手社員の問題ではありません。多くの職場で、若手と上司の間に「伝わらない構造」が生まれているという組織的な課題です。
では、なぜ伝わらないのでしょうか。
多くの若手社員は、伝わらない原因を「上司の説明が曖昧だから」「ちゃんと教えてくれないから」と感じています。しかし実際には、確認・質問ができていない、伝える内容や順番が誤っている、相手が何を求めているかを考えていない、といった自分側の問題であるケースが少なくありません。
この「気づき」を与えるところから始まるのが、弊社の「若手社員のためのコミュニケーション研修」です。
本研修は、次のような課題をお持ちの企業・組織に特にご好評いただいています。
| よくある課題 | 研修での対応 |
|---|---|
| 報告・連絡・相談の質が低く、上司の判断が遅れる | 報告・連絡・相談の本質(情報共有)と、上司が何を必要としているかを理解する |
| 伝え方が感覚的で、論理的に話せていない | PREP法・ピラミッドストラクチャによる構造的な伝え方を習得する |
| 上司のタイプによってうまくいく場合とそうでない場合がある | ソーシャルスタイル理論で自分と上司のタイプを把握し、相手に合わせた伝え方を身につける |
| フィードバックを素直に受け取れず、成長につながっていない | フィードバックを「攻撃」でなく「情報」として受け取る3段階の実践を体験する |
| 指示の意図を把握できず、やり直しが頻発する | 指示受けの確認スキルと中間報告の習慣を身につける |
この研修の最大の特徴は、冒頭から「コミュニケーションのズレはどちら側の問題か」を問うところから始まることにあります。
研修の最初のワーク、受講者はこんな場面に向き合います。
あなたは入社3年目の社員です。上司から「来週の会議で使う資料、金曜までにまとめておいて」と指示されました。一生懸命に資料を作り、金曜の夕方に提出しました。しかし上司は資料を見て、こう言いました。「うーん、方向性が違うんだよな。もっと早い段階で一回見せてくれればよかったのに。」
受講者はこのシナリオを通じて、「なぜ方向性がズレたのか」「上司が早い段階での確認を求めた背景には何があるのか」「指示を受けた時点に戻れるとしたら、自分はどう動くべきだったか」を具体的に考えます。
このワークで多くの若手社員が気づくのは、上司には「言語化されていない前提」があるということ、そしてそれを引き出す責任は受け手側にもあるということです。「目的と対象の確認」「完成イメージのすり合わせ」「中間確認のタイミングの合意」この3つを習慣にするだけで、やり直しの多くは防げます。

コミュニケーションの基本構造を理解するパートです。
コミュニケーションとは「発信(伝える)・受信(きく)・処理(理解する)」の3要素で成立する相互交流です。ここでまず確認するのは、上司と部下では、報告・連絡・相談に対する「目的」がまったく異なるという事実です。
上司が報告・連絡・相談に求めているのは「チーム全体の進捗把握」「意思決定の判断材料」「問題の早期発見」です。一方、若手社員が報告・連絡・相談をする際の動機は「経緯を順番に説明したい」「自分の頑張りを見てほしい」「怒られたくない」といったものになりがちです。

この目的のズレこそが、コミュニケーション不全の根本原因です。「結論から言ってくれ」「事実と意見を分けてくれ」という上司の言葉の背景にある論理を理解することで、若手社員の報告スタイルは大きく変わります。
また、世代によるコミュニケーションスタイルの違い(リアル対面・電話を好む世代から、チャット・テキストを好むZ世代まで)についても整理し、上司の「自然なコミュニケーションスタイル」に合わせる視点を養います。
論理的に伝えるための実践スキルを習得するパートです。
まず押さえるのは「自分が言いたいこと≠相手が知りたいこと」という大原則。同じスマートフォンの説明でも、ビジネスパーソン向けには「移動中でも仕事が止まらない」、年配の方向けには「離れて暮らす家族と顔を見ながら話せる」というように、相手の関心に合わせて内容を変える必要があります。
その上で、以下のスキルを演習を交えて習得します。
「主体的に業務に取り組んだ」という意見ではなく、「上長からの指示を待たず、週次ミーティングで2件の改善案を提案し、そのうち1件が採用された」という事実で伝える習慣を身につけます。

結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)の順で話す構成法です。受講者は自分の職場・業務を題材にして、実際にPREP法で話す練習を行います。
複雑な提案や報告を「メインメッセージ→キーメッセージ→根拠」という階層構造で整理し、主張の論理的な裏付けを可視化する手法です。「佐藤さんをプロジェクトリーダーに推薦する」という主張を、能力・人間性・行動の3軸で根拠づける演習などを通じて、構造化の思考を体得します。

人によって反応が異なる理由を理解し、上司のタイプに合わせた伝え方を身につけるパートです。
活用するのはソーシャルスタイル理論。「感情表現の強さ」と「自己主張の強さ」の2軸で人の行動傾向を4つに分類します。

受講者はまず自己診断で自分のタイプを把握し、続いて実際の上司・先輩を想定してタイプを推測します。そのうえで、自分のタイプと上司のタイプの組み合わせごとに「どう伝えれば相手に届くか」を具体的な言い回しまで落とし込むワークを行います。
たとえば分析型の上司に対しては「データを調べたところ○○でした。根拠として○○があります」と事実と根拠をセットで伝える。牽引型の上司に対しては「結論は○○です。理由は○○。ご指示をお願いします」と結論から入る。こうした具体的な対応策を、自分のタイプ別に整理して持ち帰ることができます。
聴く力と、フィードバックを受け止める力を鍛えるパートです。
「きく」には3段階あります。何気なく耳に入る「聞く(hear)」、注意を傾けて意識的に感じ取る「聴く(listen)」、自分の疑問を明確にするために相手に尋ねる「訊く(ask)」です。傾聴とは単に黙って聞くことではなく、うなずき・あいづち・繰り返し・問いかけといった行動を通じて「私はあなたの話を聞いていますよ」というメッセージを伝え返す行為です。

フィードバックの受け止め方については、3段階のロールプレイングを実施します。

「すみません、気をつけます」と反射的に謝るだけでも、「でも自分なりに頑張ったんですが」と防衛に入るのでもない。この第三の選択肢を、体験的に習得します。
研修の締めくくりは、学びを行動に落とし込む振り返りのパートです。
「今日の研修で最も印象に残った学びは何か」
「上司のソーシャルスタイルに合わせて、明日からどのように伝え方を変えるか」
「フィードバックの受け止め方で改善したい点は何か」
「明日から実践する『橋かけ行動』を3つ挙げる」
この4つの問いに答えることで、研修の学びが個人の行動計画として言語化されます。「学んで終わり」にせず、「宣言してコミットする」ことで、研修の効果を職場につなぎます。
受講後に見られる代表的な行動変容は以下のとおりです。

本研修の講師を務めるのは、弊社代表の小松茂樹です。中小企業診断士・国家資格キャリアコンサルタントとして、リーダー人材育成・自律型人材育成・セルフマネジメント・キャリアデザインを得意領域としています。
人材派遣会社での営業・営業企画、健康食品・化粧品会社での経営企画・マーケティング・人事など、多様な現場経験を背景に、理論とリアリティを組み合わせた研修が特徴です。
「具体例や身近な話で聴きやすかった」「モチベーションが上がるような話し方」「トーク力と説明のわかりやすさ、過去の経験値に説得力があった」といった評価をいただいており、受講者を引き込む双方向型の進行スタイルが高く支持されています。

| 日数 | 1日間 |
|---|---|
| 標準開催時間 | 9:00〜17:00(1時間休憩を含む) |
| 受講人数 | 推奨16名以下、最大24名 |
| 推奨対象者 | 管理職・リーダー層(課長・係長クラス) |
| 実施形式 | 集合研修(推奨) または ライブオンライン配信 |
| 標準見積価格 | 講師費:300,000円(税抜) 教材費:500円×受講者数 講師の旅費交通費 *見積額は時期・人数・開催条件によって変更になる場合があります。 *カスタマイズや複数回実施のご相談も承ります。 |
「うちの若手は報告が下手で…」という声をよく聞きます。しかし、報告・連絡・相談のスキルは、経験を積めば自然に身につくものではありません。「上司が何を必要としているか」「論理的に伝えるとはどういうことか」「相手のタイプに合わせるとはどういうことか」を明示的に学ぶ機会がなければ、若手はいつまでも自己流のコミュニケーションを続けます。
若手社員が上司との「橋」を自分からかけられるようになったとき、職場のコミュニケーションコストは大きく下がり、チーム全体の生産性が上がります。
ご関心をお持ちの方は、ぜひ一度お問い合わせください。研修内容の詳細や、貴社のニーズに合わせたご提案についてご説明いたします。
