目標達成
2016.4.21
今月に入り新入社員研修ラッシュが続いています。ビジネスマナーや仕事の進め方、コミュニケーションなど、研修によって様々なテーマを取り扱っていますが、講義の中で必ず触れる話があります。それは「目的」と「目標」の違いについてです。
言葉で伝えることはできるのですが、概念だけではいまいち理解しづらい話でもあります。どうにかしてうまく伝えられないかと、話をする度にいろいろ考えていたところ、ある研修で説明する際にホワイトボードにたまたま描いた図解が、思いのほか良い反応を得られたので、このブログでもご紹介することにしました。
文章が長くなるので、3回に分けてお送りします。
という予定でお届けしたいと思います。
ご興味のある方はお付き合いいただけると幸いです。
【図解】目的と目標の違い(その2)
【図解】目的と目標の違い(その3)
まず言葉で説明すると、「目的」とは目指すべき「方向性」であり、「目標」とは目的を遂行した最終到達地点(もしくは途中の一時点)における理想的な「状態」を指します。
すなわち目的とは「どこに向かっていくのか」という「矢印の向き」を表し、目標とは「どこに到達するのか」という「地点」を表しています。
ここで重要なことは、「目標」は「目的」の線上にある一点を指しているということです。両者の関係はまず「目的ありき」であり、その目的に到達する上での目印として目標を設定するということになります。
これを図で表すと次のようになります。
方向性を示す「目的」の線上に、それが果たされた時の状態を示す「目標」が設定されるのです。
目標は目的の線上に設定されますが、その選択肢は無限にあります。同じ目的を目指していても、達成させるための手段はいくつも存在するからです。したがって、ある目的に対して「どのような目標を設定することを選ぶか」がとても重要になってきます。
これを考える上で、ひとつの例を挙げてみます。
例えば、あなたが海外に関わる仕事をしたいと考えて、そのために英語を習得することを決めたとします。
この場合、考え方としては
となります。
ここで考えなければならないのは、目指すべき方向性は「海外に関わる仕事をする」ことであり、英語を習得することは手段のひとつに過ぎないということです。なぜならば、英語が話せるようになったからといって、必ずしも海外に関わる仕事ができるようになるとは限らないからです。そうした仕事をするためには、英語力だけではなく、海外と接点のある仕事に就くことが必要になるからです。
むしろ、観点を変えれば、英語が話せなくても海外に関わる仕事に就くことも可能です。
など、選択肢はいくつも考えることができます。
もちろん、英語が話せた方が選択肢が広がるため、目的を達成できる可能性は高くなりますが、目的が海外に関わる仕事をすることであれば、英語が話せなくても実現が可能です。したがって、この場合、英語を習得することは必ずしも目標として適切であるとは言えない、ということになります。一方で、目的が「海外の企業と通訳を介さずに商談を行う」である場合は、英語の習得は必達目標となります。
このように、目標を設定する際には、選択できる手段がどれだけあるかを整理し、その中から目的を達成する上で最も適切なものを選択する必要があります。
選択する基準は、
など様々あり、その時々の状況によって優先度は変わってきます。
しかし、いずれにせよ
ということが言えます。高い成果をあげることのできる人は、この目標設定の選択がとても巧みなのです。
次回は目的の設定の仕方について、より詳しくお話いたします。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
熊本地震においてお亡くなりになられた、すべての方々のご冥福をお祈りいたします。また、地震により被害を受けられたすべての方々へ、心からお見舞い申し上げます。
私の知人にも熊本に在住の方がいらっしゃいます。SNSを通じて、言葉にしがたい状況を伝えていただいています。著名人のSNSや報道機関からの情報も耳にしています。
東日本大震災の時もそうでしたが、今にでも飛んでいって、何か役に立てることはないだろうかと思うところですが、それは叶わぬ状況であり、また素人が身体ひとつで現地に行ったところで、かえって混乱に拍車をかけるばかりです。今はただ、募金をすることくらいしかできることはありませんが、皆さまの無事と、一日も早い復興をただただ祈るばかりです。