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2022.2.7

自ら考えて行動する、自律的な人間になる

先週、ある建設会社の若手社員の方々に向けて、自律型人材の養成研修を実施してきました。半年にわたるプログラムの初回にあたり、以降は個別面談、課題の実践期間、成果報告会を兼ねたフォロー研修へと続きます。

未来ある若い世代の方々へ、自ら考えて行動する「自律型人材」のあり方についてレクチャーさせていただける機会は非常に光栄で、とてもやりがいのある仕事でした。環境変化が激しい時代と言われて久しいですが、自ら課題を設定して実行する力をもって自己成長を続けていければ、環境がどうなろうとも生き抜いていく力がつくのではと思います。

人間を動かすものは無意識の欲求

自ら考えて行動する「自律型人材」を目指す上では、まず人間が行動するメカニズムを理解しておく必要があります。人間を動かすものは、本質的には欲求です。人は誰しも、自分の欲求に基づいて行動します。そして、欲求は大きく分けると「痛みを避けたい欲求」「快楽を追求したい欲求」の2種類があります。

痛みを避けたい欲求は、文字通り危険を回避するというものもありますが、不便や不満足を解消するために、問題を解決するというものもあります。例えば、お腹が空いているので食べ物を買うのも、部屋が寒いのでエアコンを買うというのも問題解決です。加えて、心理的な痛みを避けるというものも含まれます。例えば、本心ではやりたくないと思っている作業を渋々やるのでも行動できるのは、それをやらないことによって他人から責められたり、恥をかいたりする痛みを避けようとしていることだと言えます。

快楽を追求したい欲求は、自分の感情を満たしたい欲求だと言えます。例えば、カッコイイ洋服を買うのは自己肯定感を上げたい欲求の現れですし、映画やカラオケなどに出かけるのは楽しい感情を味わいたいという欲求の現れだと言えるでしょう。

人は誰しも心のうちに欲求を抱えています。この欲求にしたがって様々な行動をしています。その欲求を自覚して、意図的に何かを買ったり、何かをしたりすることももちろんありますが、行動の大部分は無意識によって行われます。人の行動の95%は無意識によるものです。何気なく店をブラついていて、予定していなかったものを思わず買ってしまったり、時間を持て余した時に何気なくスマホをいじって、ついつい動画やゲームに長時間を費やしてしまうのも無意識が導いた行動です。誰しも、意図的にお金や時間を浪費しようなどと思わないと思います。「なぜだかわからないが、ついやってしまった」というのが素直で正直な感想です。

こうした無意識の選択と行動が現在の自分を作り上げ、これからの自分を作っていきます。自分がやりたいこと、自分がなりたい姿を実現していきたいと願うなら、無意識の行動を自分の望ましい将来に向かうものへと寄せていくことが有効です。自覚している意識、つまり理性によってコントロールできるのは、自分の行動全体のたかだか5%程度です。95%を占める無意識の選択と行動を味方につけることができれば、実現力は飛躍的に向上します。

自分の正直な欲求に気づけば、自律的に行動できる

無意識の最も大きな役割は、自分の生命を守ることです。例えば、心臓から血液を全身に送ったり、呼吸をしたりといった生命維持活動はすべて無意識が行なっています。それに加えて、通常生活の中で痛みを避けて、快楽を追求するように無意識が選択と行動をしています。

何を痛みを思い、何を快楽と思うかは自身の価値観に基づいて判断されています。そして、この価値観はこれまでの経験や見聞きした情報などの記憶から作られているのです。つまり、人は過去の記憶をもとに判断基準を形成し、その判断基準に基づいて選択と行動をしているわけです。その結果として、いまの現実があります。

過去の延長線上ではない、より望ましい未来を実現したいならば、この無意識の判断基準となる自分の価値観を変えなければなりません。そのためには、自分とは何者で、何を望み、何を求めているのか。無意識には建前や偽りの願望は通用しません。自分の過去を振り返ったり、様々な角度から自分の欲求を見つめたりして、じっくり時間をかけて自分自身と向き合うことが必要です。そして、本心から願う自分の将来像が見つかった時、無意識はその実現に向けた行動を自律的にはじめます。

自ら考えて行動するためには、自分の欲求と周囲から期待される役割を統合させていく必要があります。周囲からの期待は明示されている場合が多いですが、自分自身が本心で何を望んでいるのかを見つけるのは決して容易ではありません。世の中には様々な制約があり、自分の欲求が制限されます。また忙しい日々を過ごす中で、自分の欲求に目を背けながら目の前の生活や仕事を回すことに手一杯であったりもします。そして、他人からの期待に応えるだけの建前の日々を過ごす中で、自分の欲求を見失っていくのです。

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だからこそ、自分の正直な欲求に気づくことができれば、課題を自ら設定し、そこに向かって自律的に動くことができます。自分らしく働いて結果を出す「デキる人」が増えれば、個人も組織も社会もより豊かで幸せになります。これからも目の前の一つひとつの現場を大事にしながら、自律型人材を増やす活動に励んでいきたいと思います。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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