やっぱり遅刻はダメでしょう

先週は、ある建設会社で若手社員とのオンライン個人面談を行いました。半年間にわたって集合研修を3回、個人面談を2回行うプログラムで、自分で設定した目標に対して、具体的な実行計画を練り、その経過をご報告いただくものです。

3日間にわたって面談を行いましたが、最も気になったのが遅刻してくる方が多いこと。加えて、面談中に電話に出たりされるケースも多く、怒るというよりもすっかり呆れてしまいました。私との面談よりも職人からの問合せを重要視していることは明らかです。

当然、皆が皆そういうわけでもなく、比較的キャリアを積んだ中堅クラスはちゃんと時間通りに来るし、電話がかかってきても脇に置いて、目の前の面談に集中します。そもそも、そんなに頻繁に電話がかかってくることもありません。この時間を確保するために、事前に諸々の調整をしてきていることが容易に想像つきます。

キャリアの浅さゆえ、優先順位の判断が適切に行えず、周囲に対して反応的な行動をとってしまう。職人との人間関係もあり、「なんですぐ電話に出ないんだ」と後からどやされることを心配しているのかもしれない。

何もかもが緊急事態ではないでしょうし、仮に緊急事態がそれだけ頻発していたらその方がむしろ問題です。後からフォローできることばかりでしょうし、そもそも問題が起きないように未然に手を打っておくのが仕事力です。

自分で言う話ではないですが、プロのコンサルタントとの個人面談は決して安くはありません。会社からしてみれば能力開発への投資であり、その期待に応えることも重要な仕事です。

当然ながら、遅刻や中座が多くなればこちらの印象も悪くなりますし、起きたことはそのまま会社に報告せざるを得ません。こんなしょうもないことで自分の評価を下げてどうするんだということを伝えました。

自分の仕事を管理して、1つ1つをきっちりと行う。その中でも、最も容易に改善できて、相手との信頼関係を損なわずに済むのは、なんと言っても遅刻をしないことです。

許される遅刻と許される遅刻

いまやYouTuberとしてもお馴染みのひろゆきさんが、先日遅刻を擁護する(むしろ推奨している?)発言をしたことが、ネットニュースになっていました。

ひろゆき氏 田中みな実&弘中綾香アナ「遅刻ダメ」の主張にド正論で論破「能力のない人ほど」(スポニチアネックス)

成果を出せば、遅刻しても構わない。

これは許される場合と、許されない場合とがあります。

例えば、工場や店舗での勤務など物理的なチームワークが前提となっている職場では、一人が遅刻するだけで仕事が計画的に進められなくなります。周囲に大きく負担がかかりますし、場合によってはビジネスの機会を損失することもあるでしょう。当然、この場合の遅刻は決して許されるはずもありません。

または、今回の面談のように、特定の相手とのアポイント(約束)をしている場合も遅刻は避けるべきしょう。自分の都合で、相手の時間を浪費させてしまうことになるからです。実際には、待っている間に別のことをしていればいいので必ずしも浪費になるわけではありませんが、もし次の予定が控えていれば、予定していただけの時間をその目的に使えなくなってしまいますし、何よりも印象が悪すぎます。相手のことを大切にしていない、優先順位が低いという意思表示とも映るため、その後の関係は悪くなっていきます。

一方、成果を上げれば遅刻しても構わないという場合もあるでしょう。例えば、職務が個人に明確に配分されていて、かつ個人で完結できるような、企画、営業、事務処理などの仕事の場合、誰かが遅刻して出社したからと言って、他の人が損害を被るわけではありません。むしろ、こうした仕事は必ずしも労働時間と成果が比例しないため、ひろゆきさんが言う「時間をかけるというよりも成果に焦点を当てた方が正しい」という見方もできます。

しかし、よくよく考えてみれば、そうした仕事に就いているのならば、もはや雇用されている必要すらありません。いっそのことフリーランスとして仕事をしてしまった方が、時間の制約から解放されて、自分のやりたいように仕事ができるわけです。これだけデジタル化が進んだ現代でさえ、労働法規はかつての大量生産・大量消費の製造業が中心だった頃の名残が色濃く残っていると言えます。

就業時刻を定めた方が良いか、必ずしも定める必要がないかは業種や業態によって異なります。本来であれば、ホワイトカラーの仕事は時間はなく成果で評価されるべきなのですが、それが容易ではないのは賃金を労働時間に応じて支払う法規の影響を受けてしまうからです。これが雇用という形態の限界であり、タニタの谷田千里社長のおっしゃる通り、個人事業主として業務委託契約にした方が理に適っているように思えます。

何しろ、私自身がいまそういう生き方をしていますし、明らかにサラリーマン時代と比べて、対応できる案件の量は増え、勉強の機会や時間も増え、収入も増えています(節税効果による可処分所得の増加効果もありますが)。昨年あったサントリーHD新浪剛史社長の「定年45歳」発言も、あながち間違いではありません。弱肉強食にはなりますが、明らかに「デキる人を増やす」結果にはつながると考えています。

サントリー新浪社長「45歳定年制」を提言 定年延長にもの申す(朝日新聞デジタル)

いずれにせよ、ホワイトカラーであったとしても、アポイントに遅刻した際に相手の時間を奪い、ないがしろにしている印象を与えてしまう点は同じです。ひろゆきさんのように、著名人で存在に希少価値がある方は別次元の話であって、あくまで一般人は時間を厳守する姿勢を貫いた方がメリットの方が多いと言えるでしょう。

「時間を守る」はもっとも簡単にできる信頼構築

仕事をする上で、顧客や協業者との信頼関係はとても重要です。信頼とは「期待に応えてくれるだろう」という期待値であり、過去の実績に基づく信用の積み重ねで形成されます。そして、信用を積み上げる方法として、最も容易ですぐに実践できるのが「時間を守る」ことです。

仕事の成果を上げることは決して容易ではないかもしれませんが、時間を守るために必要なのはスケジュール管理技術と気合いだけです。遅刻をしないというだけでも、その人に対する信用、そして信頼を損なわずに済みます。

志村けんさんは、決して遅刻をしなかったそうで、いつも30分~1時間前に現場に来ていたそうです。その理由を「遅刻すると、すみませんから始まるだろ。一日がすみませんから始まりたくないからね」と述べられていたそうで、やはり一流は基本的な行動を徹底していたのだなと思います。

中山秀征、志村けんから「遅刻しない理由」聞いて納得する(Smart FLASH)

私はよく「仕事は時間でできている」という講義をすることがありますが、このように考えると「人間関係も時間でできている」と言えるかもしれません。

微差が積み上がって大差になります。しょうもうないことで印象を下げ、信頼を損なってしまうことがないよう、一つひとつのことをキッチリとやっていきたいと思います。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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